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パリ花公園のアイリス 2012 [花図鑑]

 もう充分じゃないのかな・・・。

 そう思いつつも、たくさんのアイリスを見ると、

 ついつい、いつの間にかネームプレートを探してた。

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 それは5月中旬、ヴァンセンヌの森にやって来た時のこと。
 森の一角にあるParc Floral de Paris パリ花公園で出会ったアイリスたち。

 最初は、キレイだね~、なんて眺めてるだけだったのに、
 写真を撮り、匂いを確かめ渡り歩いていると、いつの間にかスイッチが入っちゃって、
 名前をチェック。 

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 小高い丘の斜面には、中型サイズのアイリスが咲き乱れてる。

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 園内にあったガイド板によると、アイリス花の色の組み合わせには、
 ちゃんと名前がついているんだそうな。

 amonea : 白の内花被(立ちあがってる花びら)に色付きの外花被(垂れ下がってる花びら)。
 amonea-plicatas : 無地単色の内花被に色付きの縁取りや筋のる外花被。

 Blend : 黄色ベースに、2色もしくは異なる複数色の花びら。
 bicolore : 異なる2色の内花被と外花被。
 bitone : 同じ色だけど異なる色調の内花被と外花被。 ← 濃淡のことかな。

 Darktop : 色付きの内花被に、白い外花被。

 Glaciata : ブルー、インディゴ、バイオレットの色素を持たない花びら。

 Maculata : 淡い色のベースに印があったり、対照的な色の斑点があるもの。
 Miror : ヒゲの下、地味な色のベースに、淡い色の斑点。

 plicata : 白のベースに黄色の縁取りや他の色合いの斑点模様のあるもの。

 self : 単色、一様な色。

 Variegata : 黄色や黄色に近い色の内花被に、赤や茶色に近い色の外花被。 

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 ふん、ふん・・・ほほぉ~、なるほどね、と解説を読んでも、
 実際にそれを判断するのって難しいな。

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 中型ジャーマンアイリスの"Peachy Face" ピーチー・フェイス・・・「桃の顔」?
 Jones B. 1976

  
 このパリ花公園にあるアイリスのプレートには、
 Collection Nationale ナショナル・コレクションと入っていた。
 フランス国家の収集・・・なんだかすごく箔がつく感じ。

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 Les iris japonais 日本のアイリスと札が立った場所には、花がなかった。 今年も出会えず。

 近くにあった本型の解説によると、Les iris au Japon 日本のアイリスには、
 3つの分類があるらしい。 どうやら、ハナショウブ(花菖蒲)のことみたい。

 伊勢・・・1800年以降に発達。 たれさがったガクのその花は、鉢植えでの栽培に選ばれた。

 江戸・・・一重、八重があるが、八重は変則的な異例。 庭用に高く評価されている。 
       ワン・シーズンに、より長く、より多くの花をつけるように枝が分岐。

 肥後・・・江戸系より派生。 鉢で栽培。 
      茎はほとんど分岐してない、もしくはまったく分岐していない。
       花は30cmの大きさにも達する。 八重もあり。

 鉢植え栽培のアイリスは、花の咲く頃に家の中へ持ち込まれた。
 花は3日間咲き続け、そのあと、しおれる・・・云々と、フランス語で。 
 後で辞書引きながら調べるのが大変だった。

 解説とともに載っていたのが尾形光琳『伊勢物語八橋図』
 でも、あれって、カキツバタ(燕子花)だったような・・・。 

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 大型ジャーマンアイリスの"Van Gogh" ヴァン・ゴッホ・・・画家のゴッホのことだ。
 Williamson 1985

 ゴッホの絵画にある黄色い絵の具のような花が咲くのかな。
 『ひまわり』『黄色い家』『夜のカフェテラス』とかの。

 ゴッホが描いた『アイリス』もあるけど、あれは青だったっけね。

 ちなみに、大型ジャーマンアイリスとは、
 背丈は70~120cmの高さになり、1つの茎に10個ほどの花をつけるもののよう。

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 大型ジャーマンアイリス"Coquetterie" コケトリ ・・・
 フランス語で「おしゃれ、しゃれてること、粋好み、気取り」
 Cayeux J. 1991        ・・・ この品種は、パリ植物園にもあったね。

 そういえば、さっきも触れたパリ花公園内にあった解説によると、
 多くのアイリス2組の染色体を持つのだとか(2倍体)。

 で、何か他の4色の染色体をもつもの(4倍体)との異種交配が、
 色や模様のコンビネーションを増やし、
 植物や花のサイズを大きくして、丈夫にさせるそう。

 そして、4色染色体は、ロゼ色アイリスのシリーズを豊かにすることに貢献した・・・とあった。

 確かに、ピンク色アイリス'Cherub's Smile' チェラブズ・スマイル が、
 パリ植物園に咲いていたよね。

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 大型ジャーマンアイリス"Margrave" マーグレイヴ ・・・「辺境伯」
 Cayeux J. 1978

 辺境伯とは欧州における貴族の称号なんだそう。

 辺境という言葉を知ったのは、栗本薫「グイン・サーガ」のシリーズでだったな。
 友達に薦められて読み始めたけど挫折。
 何巻まで読んだっけな・・・15巻か16巻くらいか、はっきりとは覚えてないけど。

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 大型ジャーマンアイリスの"Harmonica" ・・・「ハーモニカ」
 Vilmorin 1949

 私が子供の頃、母は、よくハーモニカを吹いていたっけ。 
 吸ったり吐いたりで音色が変わるのが不思議でね。

 家には、足踏み式のふいごの古いオルガンもあった。
 あれはハーモニウムともいうらしい。 

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 大型ジャーマンアイリスの"Night Visitor" ナイト・ヴィジター ・・・「夜の訪問者」?
 Neubert 1973

 実物は、もっと濃い紺色だった。 
 これは単色だから、さっきの色の名前で言うと、self になるのかな。

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 名前チェックし忘れたけど、写り込んでるネームプレートからすると、
 大型ジャーマンアイリスの"Everything Plus" エヴリシング・プラスかも。 

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 立ち上がった花びらにブルーのにじんだような筋模様。 大理石みたい。
 外側に垂れた花びらは紫のスプレーをしたような縁取り。 

 ちろふさ(ひげ)には、黄色も入ってた。 

 何度見ても、不思議な花の構造だ。 

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 大型ジャーマンアイリスの"Proud Tradition" プラウド・トラディション
 ・・・「誇り高き伝統」?
 Schreiner 1990

 これは同じ色の系統だけど濃淡だから、bitone かも。

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 ちろふさ(ひげ)には、奥の方に黄色い色も。 花びらは目の覚めるようなキレイな青。 

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 大型ジャーマンアイリスの"Belle Embellie" ・・・「美しい晴れ間」?
 Anfosso P. 1981       ↑ べらんべり って聞こえる・・・。

 フランス語の embeille アンベリ は、
(一時的な)晴れ間、(事態の)一時好転、と言う意味らしい。

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 大型ジャーマンアイリスの"Impression de Jouy" ・・・「ジュイのプリント生地」?
 Cayeux 2010

 ということは、Toile de Jouy トワル・ド・ジュイ のことかな。
 ベージュやグレーっぽい綿生地に赤や紫、青、緑など、単色で模様や風景画が入ってるもので、
 よくミュージアムでも壁や椅子に張った布で見かける伝統的なプリント。

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 Kamoさんは、フランスの陶器 Gien"Délices des 4 Saisons" という
 赤のトワル・ド・ジュイの柄のシリーズをほしがっていた。

 普段使いだと食器洗い機でガンガン洗っちゃうから・・・と、
 あきらめたんだったかな。
 だから、我が家の今の朝食皿は、代わりに買った赤の模様の。

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 大型ジャーマンアイリスの"Balançoire" バランソワール ・・・「ブランコ」
 Ségui 1981

 どうして、ブランコなんだろうなぁ・・・。
 フラゴナールの描く『ぶらんこ』のように、風に舞うふわふわした服だから?

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 大型ジャーマンアイリスの"Beach Girl" ・・・「ビーチ・ガール」。
 Blyth B. 1983

 白い内花被に色付きの外花被・・・この色の組み合わせは、amonea かなぁ。
 なんとも華やかなアイリス。 砂浜で日焼けした白い水着の女の人・・・ってイメージ?

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 オレンジシャーベットを思い出す色。 

 もう、そろそろ次のお花の場所へ行かないと全部見られないよね、と移動。
 そうして、おじさん顔のパンジーの川へ行ったのでした。

 

 ・・・と、パリ花公園で見たアイリス。 撮ったのは、ほんの一部。 なんと219種類あるそうな。

 

 昨年より、少しはアイリスについて詳しくなれたかも。
あともう一か所、アイリスを見た場所があったりする・・・。

それは、またいずれ。

いただいたコメントへのお返事、遅れてますがもう少しお待ちくださいね。


nice!(36)  コメント(12) 
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コメント 12

ぴーすけ君

いろんな色のがあるのがすんごくビックリさせられますね。
by ぴーすけ君 (2012-07-17 18:07) 

テリー

219種類もありますか、すごいですねー。日本のアイリス、花菖蒲が咲いていないとは、残念でしたね。
by テリー (2012-07-17 23:01) 

めぎ

詳しく調べてますね~すごいなあ。
by めぎ (2012-07-17 23:40) 

yk2

いなちゃん、たくさんのちろふさを覗き込んで、それは王様の庭園の黄金の垣根は見えて来ました?。その黄色い華麗な木立の奥に、花の息や夢が出たり入ったりしてるのは解って来ましたか?。散々眺めたけど、僕はまだイマイチ解ってない・・・よ(苦笑)。

光琳の八橋図に描かれているのは、間違いなくカキツバタなんだけど、ハナショウブの原種であるノハナショウブ(野花菖蒲)だと、両者の見た目はすご~く似てるって、ごく最近知りました。カキツバタの花に入っている白い筋が黄色に代わるだけ。園芸化が進んだ江戸期はともかく、伊勢物語の時代に、はたして王朝人たちが自生しているカキツバタとノハナショウブをどれほど厳密に区分していたのだろうか?ってのは、最近の僕が思ってる疑問かな。
by yk2 (2012-07-18 00:18) 

HIROMI

"Van Gogh" ヴァン・ゴッホの、花びらの開いているところを見たかったなあ。どんな色なんでしょう。

by HIROMI (2012-07-18 00:33) 

母ちゃん

ほんとに種類がおおいですね~♪ 名前の由来とか考えると、時間がたっぷり必要になりそうです(^^)
by 母ちゃん (2012-07-18 06:19) 

MOCOMOCO

アイリスの世界・・・奥が深いですね~。
知れば知るほど深みにはまるような・・・^^
アイリスってたいてい背が高いから横からしか見たことなかったのですが、上から覗き込むとこういう風になってなんですね~♪
by MOCOMOCO (2012-07-18 20:27) 

noriko

すごい・・・Inatimyさんの写真の数だけでもびっくりなのに、パリ公園にはアイリスだけで219種類もあるの???
フランス人の細部にかける情熱ってすごい!!
そしてInatimyさんも♡

by noriko (2012-07-20 23:50) 

カエル

すごいですね。こんなに細かく分けられているというか種類があるなんて。天面からみたアイリスを見てて、(人工的なのか自然になのかわからないけど)進化するうちに2種類のものが2種類とも存在することになったのかしら?と思えました。立っている花びらと寝転んだ花びらだとか、センターに3つの中心があるところとか。。。
いずれにしても魅了されてしまうお花ですね。
by カエル (2012-07-21 12:42) 

stellaria

アイリスの数々、美しいですねえ…。「ちろふさ」は、正式な植物用語として認定してほしいくらいです。「ひげ」よりずっと特徴をよく表してますもの。でも、翻訳が難しいかもしれませんね。
by stellaria (2012-07-22 00:54) 

夢空

オレンジシャーベットのような色☆
元気の出る色ですよね(*^_^*)
ただ今、ラナンキュラス製作中~花びらが多いので大変っっ^^;
by 夢空 (2012-07-22 08:45) 

Inatimy

→皆さま 
『パリ花公園のアイリス 2012』のお話に、たくさんのnice! & コメントありがとうございます。 快晴の青い空だった月曜日。 天気予報珍しく的中。 気温も上昇。 なんと木曜は34℃まであがるとか・・・扇風機も、もちろんエアコンもない我が家。 でも私は日本でもあまりどちらも使ってなかったので、欧州の乾燥した高温は平気~。

→ぴーすけ君さま 
いろんな色の組み合わせがありますよね~。 たまによく似たのがあるんですが、でも微妙な違いが。 間違い探しのようですよ。

→テリーさま 
さすがに219種類全部は撮れませんねぇ・・・日本のアイリス、花菖蒲やアヤメが咲いてるところをあまり見かけないのは、乾燥気味なせいかしら。 

→めぎさま 
フランス語学習兼ねて、解説版を撮影して家で辞書ひきながら解読・・・という地道な作業。 趣味をかねないと、なかなか机に向かえなくって(笑)。

→yk2さま 
ちろふさを眺めて、う~ん・・・高尚なイメージは、まだまださっぱりですが、たまに公園で菩提樹の木々の列を見かけると、あ、ちろふさみたい、って思うように(笑)。 黄金の垣根を越えて中に入って行けるハチが少々羨ましかったり。 きっと中はくらくらするほど濃厚な香り何だろうな~。 マツタケの(笑)。 いつか触ってもみようかな。
昔の人がどれほど植物に精通していたか、私も興味津々。 だって、パッと見、梅、桃、杏、桜ですら、私にはサッパリ区別がつかない・・・。 俳句や歌に植物を詠んだ古の人は間違うこともあったのかしらねぇ。 植物図鑑片手に、じーっと描かれた作品をも眺めてみたい気もします(笑)。

→HIROMIさま 
きっとゴッホの絵画にある黄色なんじゃないかしら♪ 花の咲くタイミングはむずかしいですね~。

→母ちゃんさま 
まだまだ撮った写真が残ってて、あ~だこ~だと楽しめそうです♪ 植物の姿かたち、名前も面白いですね~。

→MOCOMOCOさま 
思わぬ深みにはまってしまいました~。 手元にアイリスについての本がないので、解説板を撮って、解読です・・・。 語学学習にせよ何にせよ、知りたいという気が大事だなぁ・・・とつくづく(笑)。 上から見た時、ほのかに香りが分かるのも楽しみ♪ 

→norikoさま 
多少の重なりはあるだろうけれど、他の植物園や公園にあるのも合わせたら、かなりの品種が楽しめそう。 それだけのお手入れも、大変だろうなぁ・・・私、1種類でも苦労してるもの。

→カエルさま 
アイリスに属する花でも、微妙に花の構造が異なっていて、それを見比べるだけでも楽しめて♪ チューリップの分類にどっぷりはまった私にとって、新たなる興味の対象がフランスで見つかったことは大きな収穫かもしれない~。 アイリスは香りもいいし♪

→stellariaさま 
あの美しい姿で、「ひげ」っていうのは、ちょっと抵抗がありますよね。 ブラシというのも日常生活的で・・・。 やっぱり私には「ちろふさ」が一番。 

→夢空さま 
オレンジシャーベットのような色・・・いいなぁ。 白い部分は爽やかレモン味かな♪ 暑い日に食べるアイス、私の好みはシャーベット系なんですよ♪
by Inatimy (2012-07-24 06:49) 

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